宝くじに高額当選した場合、必ず配られる「本」があることをご存知でしょうか。今回は、高額当選者のみに配られる本「その日から読む本」の構成や内容を紹介していきます。
その日から読む本とは?
「その日から読む本」の正式名称は「その日から読む本 突然の幸福に戸惑わないために」。この本は、宝くじで“1,000万円以上”の高額当選者に向けて配られるハンドブックです。
いきなり1,000万円以上の大金が手に入った場合、ほとんどの方が気分は高揚し、冷静でいられなくなることでしょう。そういった方々のために、「その日から読む本」の制作には各専門家が携わっています。
- 弁護士
- 臨床心理士
- ファイナンシャルプランナー
この本では、高額当選者のその後の人生が狂わないように、受け取った後にやるべき「行動指針」がまとめられているのです。
各専門家が携わって制作された「その日から読む本」の内容はどうなっているのか?構成と内容を次の章でご紹介していきます。
構成と内容
「その日から読む本」は全部で3部構成となっています。
- 第一部:今すぐやっておきたいこと、やってはいけないこと
- 第二部:落ち着いてから考えること
- 第三部:当面の使いみちが決まったら考えること
実際に大金を手にした場合、自身にどのような変化が起きるのか?また、周りの反応はどうなるのか?どういった問題が起きるのか?などが詳しく解説されています。それでは、上記の構成を詳しく見ていきましょう。
第一部:今すぐやっておきたいこと、やってはいけないこと
第一部では、大金を手に入れた後に「やっておきたいこと、やってはいけないこと」が3つに分けられ解説されています。
- 受け取った当せん金は、とりあえず安全な場所へ
- これからのスケジュールを思い描いてみよう
- ちょっと待て、落ち着いてからでも遅くない
順番に見ていきましょう。
1.受け取った当せん金は、とりあえず安全な場所へ
当たり前の話ですが、「安全のため」当せん金は銀行口座に入れるべきと記されています。どうしても必要な金額以外は、何が起こるか分からないため、持ち帰らないようにも記載されています。
また、当せん証明書の発行依頼やグループで購入した場合のメンバーの委任状など、当せんした直後に行うべきことが分かりやすく記載されています。
2.これからのスケジュールを思い描いてみよう
当せん金をどのように使うのか、大まかなスケジュールを立てておきましょう。すでに決まっている方は問題ありませんが、特に決まっていない方で、その場の盛り上がりで決めてしまうことは冷静な判断ができていないことが多いため、避けるべきです。
また、グループで購入している場合は「決まり」を作っておくことが有効と記載されています。お金のことになると、やはり何が起きるかわかりません。しっかりと準備しておきましょう。
3.ちょっと待て、落ち着いてからでも遅くない
当せんした直後は「興奮状態」にあることを自覚するべき。宝くじが当せんしたことを「自慢」したい気持ちは分かりますが、軽はずみな言動は慎むべきです。
このタイミングを利用して、「自分の性格やクセ」などを見つめ直す時間として有効に使いましょう。時間はあなたの味方です。
第二部:落ち着いてから考えること
第二部では、「当せんしたこと」を落ち着いて考えるようにと記載されています。
- 当せん者にしかわからない悩み、知っておこう
- だれに当せんしたことを知らせる(知らせた)か
- だれにお金を分与するか
- お金の使いみちを考えよう
- 当せんして何が変わるか
一つひとつ見ていきましょう。
1.当せん者にしかわからない悩み、知っておこう
噂はあっという間に広がる、神経質になり過ぎていないかのチェックなど「当せん」して初めて実感する悩みが記載されています。
また、興奮した後に訪れる不安に対しては、「以前の自分に戻るための通過点」と言われています。
2.誰に当せんしたことを知らせる(知らせた)か
当せんしたことを誰に伝えるのか。まずは「リスとアップ」することをおすすめしています。誰に知らせて、誰に言わないのか。この線引きが重要になってきます。
また、グループで購入した場合は、メンバー内で知らせる相手を統一させておきましょう。後になって、「言った言わない問題」にならないようしっかりと決めましょう。
3.だれにお金を分与するか
当せん者がすべて使うのなら問題ありません。しかし、家族がいたり、親・兄弟などに分与する場合は「リスト」を作っておくべきと記載されています。
分与する場合、「贈与税」がかかることも忘れてはいけません。そのため、分与する場合は慎重に決めるべきでしょう。
4.お金の使いみちを考えよう
当せん金は、「当面使うお金」と「残すお金」に分けた方が良いとされています。ローンや借金がある場合はその返済を優先させましょう。
残ったお金から、やりたいことの「優先順位」をつけて判断していくことが良いと記載されています。
5.当せんして何が変わるか
大金を手にしたからといって、あなたはあなたです。あなた自身が劇的に変わるわけではありません。お金は幸せになる手段の一つだと心得ましょう。
第三部:当面の使いみちが決まったら考えること
この本の最後となる第三部では、残したお金をどのようにするかを考える項目となっています。
- 残ったお金をどうするのか
- 将来の目的に合わせて、お金を考える
- 運用を始める前にチェックしておくこと
順番に見ていきます。
1.残ったお金をどうするのか
何のためにお金を残すのか?住宅や教育、老後のことなどを考えて残すことが大半でしょう。ここでは、残ったお金の使い方を「もう一度」考えましょうという項目。
2.将来の目的に合わせて、お金を考える
現在の日本では、貯金しておくだけではお金はまったく増やすことができません。お金の運用方法を考えましょうという項目です。運用するにしても、リスクとリターンを考えると同時に、もしものために「遺言状」の作成も記載されています。
3.運用を始める前にチェックしておくこと
運用を始めるにあたり、専門家のアドバイスをもらいましょう。最終的な判断は本人次第になりますが、まったくの素人の場合は素直にアドバイスを受け入れるようにしましょう。
また、一度決めた運用方法は定期的に見直すこと。その時に合った運用方法でお金を動かすことが最善となるためです。
まとめ
高額当選者限定にだけ配られる「その日から読む本」について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
誰でも大金を手にした瞬間、気持ちが高揚し「冷静」を保つのが難しいと思います。そういった人のためのハンドブックが「その日から読む本」です。
高額当選したからといって、気持ちが大きくなり過ぎないように注意しましょう。