夢を買うとも言われる宝くじ。あなたも一度は購入したことがあるのではないでしょうか。一等数億円がもし当たったら…なんて考えて購入するのも楽しいですよね。
しかし、億万長者になれるのは、ごく限られた人のみ。購入金額そのものが戻ってきたらよい方で、実際は全然当たりませんよね。
そもそも、一枚300円の宝くじの売上金がどのように使われているかご存知でしょうか?購入金額がすべて当選者に支払われるのか、それとも半分ほどなのか、だとしたら残りの半分はどうなるのか。意外と知らないことが多い宝くじの売上金の使われ方。この記事では、そんな宝くじの売上金の使われ方について紹介していきます。
宝くじの売上金の活用内容
一枚300円の宝くじの売上金の使われ方は、だいたい以下のような計算になります。
- 当選者に支払う当選金 → 140円
- 自治体に納める金額 → 114円
- 宝くじの印刷・販売代 → 40円
- 社会貢献広報費 → 6円
平成30年度の宝くじの販売実績を見てみると、トータルで8,046億円となっています。これらの売上金がどのように振り分けられているのか、もう少し詳しく確認していきましょう。
参考:宝くじ公式サイト
当選者に支払う当選金
平成30年度の宝くじの販売実績では、当選者に支払う当選金は全体の46.5%(3,745億円)。売上の約半分は、1等から6等までの当選者に支払われる金額となっています。
自治体に納める金額
自治体に納めると聞いても、「なにに使われるのか?」と疑問が浮かびますよね。自治体に納められた宝くじの売上金は、「公共事業」に使われます。
平成30年度の宝くじの販売実績の場合、38.2%(3,071億円)が発売元である全国都道府県及び、20指定都市へ納められ公共事業に使われているのです。
「公共事業」と聞いても具体的には?と思った方もいらっしゃるでしょう。宝くじの売上金は以下のような公共事業に使われます。
- 高齢化少子化対策
- 防災対策
- 公園・道路整備
- 教育及び社会福祉施設の建設改修
「宝くじを購入する」ことは、夢を買う以外にも、自分たちが住んでいる街を「もっと住みよい街に整備する」という意味合いもあります。
宝くじの印刷・販売代
14%(1,127億円)は印刷・販売代に使われています。年間でこれだけの宝くじが販売されているということは、それだけの宝くじを印刷しなければなりません。
また、宝くじを販売するためには人件費もかかります。ショッピングモールや街中、駅の改札を出たところなど、最近では至る所で宝くじ売り場を見かけるようになりました。そういったところにも売上金の一部が使われています。
社会貢献広報費
最後に紹介するのが社会貢献広報費です。売上金の残り1.3%(103億円)が使われています。
建物や自動車に「クジラ」のマークがついてるのを見かけたことはありませんか?例えば、「移動採血車」や「胃胸部検診車」などがこれにあたります。この他にもたくさんの用途で使われています。
- 母子衛生研究会 → 少子化時代に対応した乳幼児の安全対策事業
- すこやか食生活協会 → 視覚障害者用レシピ集
- 全国心身障害児福祉財団 → 文字のない「宝くじドリームジャンボ絵本」作成・配布事業
- 日本食生活協会 → おやこの食育教室
- 公園財団 → 公園ベンチ整備事業
- 全日本交通安全協会 → 交通安全教室車整備事業
- 日本消防協会 → 消防団防災学習・災害活動車両整備事業
- 救急振興財団 → 救急普及啓発広報車整備事業
- 日本交通文化協会 → パブリックアート普及事業
- 日本さくらの会 → 宝くじ桜配布事業
出典:日本宝くじ協会
私たちが知らないところで、宝くじの売上はたくさんのところで活かされています。
まとめ
「宝くじの売上金の使われ方」について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
8,046億円という売上金の使われ方をまとめると以下になります。
- 当選者に支払う当選金 → 3,745億円
- 自治体に納める金額 → 3,071億円
- 宝くじの印刷・販売代 → 1,127億円
- 社会貢献広報費 → 103億円
誰もが「当たってほしい」と願って購入する宝くじ。それでも、大体の方は外れてしまうのが現状ですよね。
「夢を買う」と分かっていても、外れてしまえばやはりショックですよね。しかし、購入した金額の一部が私たちの生活が豊かになるような「公共事業」に使われていると分かれば、割り切れなくもないかもしれませんね。